2011年1月6日木曜日

7つの健康習慣とは

私たちの専門領域である公衆衛生学では、人々の健康を守ることを目的として、様々な生活習慣と健康との関わりを研究しています。
中でも、カリフォルニア大学のブレスロー教授らが行った一連の調査・研究が有名です。


彼らは、多くの生活習慣を調査するうちに、表に示す7つの生活習慣(健康習慣)が身体的な健康度と強く関連することを見つけました。

簡単に結果を紹介します。調査の全対象者7千人の平均的な不健康度*に達する年齢を求めると、健康習慣を2つしか守っていない人は早くも30歳でそのレベルに落ちてしまうのに比べ、すべて守っている人は60歳でした。
即ち、健康の悪化速度に何と30年も開きがあるのです。さらに、彼らは対象者の一部を9年間追跡し、健康習慣の良いグループは悪いグループに比べて、男女とも数倍も異なる低い死亡率を示すことを報告しました。

しかし、皆さんの中には、アメリカ人と日本人では生活習慣も違うし、体格も違うから、日本人には当てはまらないのではないかとお思いの方もみえるかもしれませんので、実際に平成9年に実施したアンケートと健診結果(男性4,809人、女性1,032人)をもとに、7つの健康習慣と高血圧との関連をみたものを紹介します。

守っている健康習慣の数は、男性では4つが最も多く29.2%、女性は5つで34.8%でした。
一番守られていない健康習慣は、男女とも運動(男性29.9%、女性24.1%)であり、続いて男性では体重(53.0%)、飲酒(59.5%)、女性では睡眠(39.1%)、体重(57.8%)でした。
高血圧者の割合は、守っている健康習慣の数2つから7つの順に、男性は37.2%、36.9%、37.5%、35.4%、35.7%、32.9%、女性は26.1%、13.6%、23.0%、17.0%、20.5%、11.4%であり、健康習慣の多い群ほど高血圧者の割合が低い傾向が見られました。
さらに詳しく解析を進めると、健康習慣を1つ増やすと高血圧のリスクが4%下がることが分かりました。

4%とはいささか期待はずれの数字かもしれませんが、生活習慣の間にはそれぞれ密接な繋がりがあり、1つ良い習慣を身に付ければ次から次へと良い健康状態になる可能性が大きいので、ぜひとも1つでも多くの健康習慣を身につけることをオススメします。( 玉腰浩司 )

(*不健康度:身体的健康度を障害の程度、慢性疾患の有無、自覚症状の有無、主観的な健康感評価から判定した。)


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