2023年2月13日月曜日

交絡

例えば、コーヒー飲用と心筋梗塞の関連を調べたところ、コーヒーを飲用していた集団は、飲用していない集団よりも心筋梗塞の発生が多かったという関連が認められたとする。この時、コーヒーを飲用する集団と飲用しない集団はコーヒー飲用以外にも異なる特徴を有し、その一つとして、コーヒー飲用者は非飲用者に比べ、喫煙習慣を有するものが多かった。喫煙は心筋梗塞の危険因子であることから、コーヒー飲用と心筋梗塞の間にみられた関連性は、コーヒー飲用によるものではなく、コーヒー飲用者に多い喫煙習慣によって、あたかも存在するように見えたと考えられる。この喫煙習慣の例のように、要因(コーヒー飲用)、結果(心筋梗塞)の両者に関連し、要因と結果に関連性が存在するように見せたり、逆に関連を見えにくくしたりするものを交絡因子という。疫学研究においては、交絡因子の制御が極めて重要である。

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