2011年1月5日水曜日

仕事ストレスのチェック

厚生労働省が平成14年に実施した労働者健康状況調査によると、現在、自分の仕事や職業生活に関して「強い不安、悩み、ストレスがある」とする労働者は61.5%にのぼり、具体的な内容としては、「職場の人間関係の問題」が35.1%と最も高かったとされています。

平成14年に私たちが実施したアンケートにおいても日頃のストレスの多寡についてお聞きしたところ、男性の48.9%、女性の62.8%の方が、日頃のストレスがやや多い、またはかなり多いとお答えになっております。

ストレスとは
さて、ストレスとは、精神や肉体に負担がかかる状況をいいます。
人間関係や体の痛みなどストレスの原因を「ストレッサー」と呼び、そうした外部からの刺激で起こる動悸や胃の調子が悪くなるといった心身の反応を「ストレス反応」と呼んでいます。ストレッサーには、騒音や暑さ寒さなどの物理的なもの、過労や病気などの肉体的なもの、そして緊張、不安、怒りなどの精神的なものがあります。

仕事ストレスのチェック
最近、仕事上のストレッサーとして「仕事の要求度」「仕事の裁量」が注目されています。
仕事の要求度とは、仕事の困難さや量の多さ、仕事の裁量とは、仕事の段取りなどを自分で決めることができる自由度のことで、両者の組み合わせによって働く方の仕事上のストレス度をチェックできます。

チェックリストを使って仕事ストレスをチェックしてみましょう
あなたの仕事についてお聞きします。
最も当てはまる答えの数字を選んでください。



評価方法

仕事の裁量
1)~7)の7項目のうち6項目以上で「そうだ」または「まあそうだ」に当てはまる場合、あなたの仕事の要求度は高いと考えられます。

仕事の要求度
8)~10)の3項目の2項目以上で「ちがう」または「ややちがう」に当てはまる場合、あなたの仕事の裁量は低いと考えられます。
(チェックリストの詳しい解説:中央労働災害防止協会編「働く人の心の健康づくり―指針と解説」)



要求度が高く、裁量度が低いと判定されたら、あなたは現在、多くの仕事上のストレッサーに囲まれているかもしれません。
このことは、あなたの心身の健康に好ましくない影響を与えている可能性があり要注意です。たとえ、仕事ストレスがそれほど多くはないと判定されても、ストレッサーを過小評価している人も少なくないので注意してください。小さなストレッサーでもそれが長期に及ぶ場合には何らかの影響を与えることがありますので、注意が必要です。

ストレッサーの精神・身体への影響
ストレッサーの影響を受けると、まず不安、緊張、落ち着かないなどの症状が現れます。これに身体症状がともなうこともあります。
ストレッサーが長期間にわたり存在すると、疲労、消耗感、怒り、抑うつなどがみられることもあります。こういった場合には、まず何がストレッサーとなっているのかをまず明らかにして、対処方法を見つけることが大切です。

個人だけでは解決できないことが多い
このチェックリストは平成14年に自治体職員の方々にも答えいただきました。
その結果、仕事上のストレッサーが最も高いと判断される「仕事の要求度が高く」かつ、「裁量が低い」人は、男性で11%、女性では19%でした。

ストレスの感じ方や処理能力には個人差もあり、またその原因は様々ですが、仕事を持つ人にとって、仕事ストレスは軽視できない存在です。
強いストレスを感じている場合は、いつまでも一人で抱え込まずに、上司や同僚に相談しながら、問題点を整理して解決の糸口をさぐっていきましょう。また必要に応じて衛生管理医や産業医、保健師に相談してみることも大切です。
同じ状況でも上司や同僚、家族からのサポートを十分に受けられる人は、ストレスを感じる度合いが低くなるとも言われています。個人差を考慮した職場全体のストレス対策が必要とも言えます。

ストレスは「人生のスパイス」とも言われるように、適度なストレスは私達に程好い刺激を与え、行動を意欲的にします。また、ストレスの克服が人格的な成長に結びつくこともあるでしょう。
しかし、ストレスが適度か過剰かを客観的に判断することはしばしば困難です。強いストレスを感じていると思う場合には、ストレスに正面から向き合わず、うまく避けていくことも大事です。
一人一人が自分自身のストレスについて考えることは大切ですが、今回の記事が職場全体でストレスについて考え、話し合う機会となることを願っております。(大塚礼)


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